2025年12月から2026年1月にかけて、一般社団法人InnoDropsは、八王子の後継ぎ経営者の皆さま(株式会社発ジャパン様)を対象に、1.5か月の「NEXT LEADERSプログラム」を実施しました。
「既存の事業を違う視点で捉え直したい」「何か新しい実践を始めてみたい」という熱い想いを持った参加者の皆さんが、自社の当たり前を一歩飛び出し、最新AI技術と泥くさい顧客ヒアリングを武器に、新規事業のプロトタイプ(試作品)作りに本気で挑んだプロセスをレポートします。
【実施背景】
地域企業において、2代目・3代目の跡継ぎ経営者は「すでに売れている既存事業を引き継ぐ」という特有の状況に直面します。そのため、「自社の本当の提供価値は何なのか」を深く掘り下げる機会が少なく、新規事業を模索する際にも、自社ができることから考える「プロダクトアウト」の思考に陥りがちという課題が存在していました。
本プログラムは、そうした経営者特有の違和感や課題感を起点に、自社の殻を破り、市場や顧客と地続きのイノベーションを起こせる「自律的変革リーダー」の育成を目指して設計いたしました。
【詳細】
プログラムは1.5か月にわたり、対面ワークショップ、各自でのフィールドワーク、オンラインでの壁打ちを組み合わせて進行。
- DAY1:デザイン思考の獲得と共感 顧客視点に立つためのデザイン思考のフレームワークを学習。「女性特有の健康課題」をテーマに対し、インタビュー内容の整理を行う。
- DAY2:AIを使ったアジャイル開発体験 「Google AI Studio」等を活用し、アイデアを数時間で動くアプリケーションの形(プロトタイプ)にする方法を体得。「自分が考えていたよりもアプリ作成が簡単にできる」というデジタルの手触り感を獲得する。
- DAY3〜DAY4.5:リアルとデジタルの融合(フィールドワーク&検証) 実際に街へ飛び出し、子を持つママ層などへ直接インタビューを敢行。AIで素早く形にした試作画面を見せながら「価値の検証」を繰り返す。
- DAY5:発表&フィードバック 試行錯誤を経て辿り着いたコンセプトと、検証済みのプロトタイプを発表する。
【参加者の変化】
本プログラムでは、完成したアプリのクオリティではなく、参加者の「内面的な変化のプロセス」を重視。 最初は「こういう機能があれば喜ばれるはずだ」と主観や仮説に基づき事業を考えていた参加者たちが、現場でのリアルなインタビューを通じて、以下のような変化や気づきに直面しました。
- インタビューを重ねる中で、ターゲットが顧客ではなく「自分自身」にすり替わっていたことに気づく。主観を排し、インサイト(顧客の真実)をどこまで深掘りできるかが事業の命運を分けるという実感を強く持つ。
- AIを使って一瞬で形にできるからこそ、それを顧客に見せたときに「ターゲットがズレている」という現実が率直に突きつけられる。デジタルで試作し、リアルで聴くという高速のPDCAが、自身の思考のアップデートを促す。
- 身内以外へのインタビュー時において「どこまで深掘りして良いか」という戸惑いや、「全く相手への配慮ができていなかったのでは」という、真摯に顧客に向き合ったからこそ生じる葛藤を経験する。
きれいな成功体験だけでなく、正解のない問いに他者と共に挑み続けるマインドへの変化が見られました。
▼参加者インタビュー
【今後について】
InnoDropsは、これまで多くの中高生を対象に、正解のない問いに挑むアントレプレナーシッププログラムを提供してきました。その実践の中で見えてきたのは、次世代がどれだけクリエイティブな発想や好奇心を育んでも、彼らを受け止める地域の企業や社会が既存の枠組みに囚われたままでは、挑戦のイノベーションは持続しないという現実です。
地域に「挑戦の循環」を生み出すためには、まず未来の地域経済を担う企業自身が、主観を排して変化に向き合い、変革の当事者として一歩を踏み出す必要がある。この気づきが、InnoDropsが企業の人材変革へと舵を切った最大の理由です。
本プログラム(NEXT LEADERS)は、自社内だけでは完結しにくい「他者との共創」「顧客インサイトの泥臭い深掘り」をパッケージ化し、企業の外で実践する場です。
今回のプログラムを通じて、市場や顧客と誠実に向き合うマインドの種が定着したように、このアプローチは若手社員の主体性育成、新規事業創出、地域との関係構築に課題を抱える多くの企業への横展開が可能です。
「自社の事業を、今までとは違う視点で捉え直してみたい」 「頭で考えるだけでなく、実際に手を動かして新しい実践を始めてみたい」
そんな想いを持つ地域の経営者・企業の皆さま、ぜひInnoDropsと共に、次の「ワクワクする挑戦」を始めてみませんか?
まずは気軽な意見交換や、ざっくばらんな壁打ちから、いつでもご連絡をお待ちしております。





